オーマイガー(;ﾟдﾟ)

私が仕事をしている茶室『玉露の里・瓢月亭』には海外からのツアーのお客様も大勢お見えになります。

正座をして、抹茶や玉露を楽しむという日本ならではの体験に興味を持って下さるのはとても嬉しく思いますが、

海外の方を茶室にお迎えする度に、
日本独特の文化やしきたり、そして建物の造りを理解していただくのはなかなか大変なことだと痛感します。

まず玄関を入ると小縁の手前に沓脱ぎがあるのですが、外国の方はその石の手前で靴を脱ぎ、石の上に靴下で乗ってから小縁に上がってこられます。

「石の上まで靴のままでお上がり下さい」

と言いたくても、中国語も韓国語もしゃべれないので伝えようがありません^^;

ですので、畳が汚れるけれど目を瞑っています。

また、敷居や畳の縁を踏まないように歩くことも日本人なら殆どの方が自然とできるでしょうが、海外の方にそれを望むのは無理だと思いますので、これも黙認。

そして、茶室に通られると、畳に座っていただくのですが、早速後ろの障子にもたれ掛かる方もいます。

そのため、障子が外れたり、桟が折れたりと言うこともありました。

もたれ掛かったとたんに、後ろにひっくり返った方はさぞかしびっくりされたでしょうね😰

また、床の間というのも日本建築ならではのもの。しかしその微妙な高さは、腰掛けるのにはちょっと低いけれども、正座するより楽と思われるのか、ここに腰を下ろす方もたくさんいます。

瓢月亭の床の間の一つは二畳の畳が敷かれていて、普通の倍の広さがあります。

花が生けてあり、掛け軸もかかっていますので、写真を撮るにはもってこいの場所と見えるのか、この床の間に上がってポーズをとり、時には寝そべって写真を撮っている方も後を絶ちません。

床の間は日本人にとっては神聖な場所です。上がるなんて、ましてや寝そべるなんてとんでもない事です。

それは何があっても見過ごす訳にはいきませんので、とにかく下りていただきます。

ここまでは、ほぼ毎日のように見かける『海外からのツアー客あるある』なので、すっかり馴れてしまいましたが、

昨日私はとても衝撃的な場面に出くわしてしまいました。

お客様の茶碗を下げに伺った時のこと、まだ飲み終えてないお客様が３人で抹茶碗をぶつけて乾杯をされていたのです。

まさに

「オーマイガー！！」

です。

茶道の心得がある方なら絶対にそう叫ぶだろうと思うような光景です。(イヤイヤ！やっぱ日本語でしょ^^;)

茶碗に限らず、茶道具は全てぶつけないように大事に扱うのが基本中の基本。

茶碗に関しては重ねるにしても２つまで。茶筅や茶杓を茶碗にもたせるときも、音がしないように静かに扱うことと厳しく言われているのに、

乾杯とは！

もっての外です。

しかし伝える術もなくすごすご退散です(-_-;)

茶碗が欠けなくてよかったと胸をなで下ろすばかり。

客観的に見れば笑い事のようにも見えるこれらのこと。でも絶対に見過ごせないこともなかにはあります。

それはやはり体に流れる日本人の血がそう思わせるのでしょうか。

理屈ではなく、染みついている日本人の “当たり前” がそうさせるのでしょうね。

その当たり前こそが文化だと思います。

#221