世界最大トークンエコノミー「STEEM」のコラボレーションメディア化について
こんにちは、Sho Tです。
11月2日に、「トークンエコノミーとコミュニティ」をテーマに登壇しました。
内容としては、以下です。
・世界最大規模のトークンエコノミー「STEEM」の「コラボレーションメディア化」してきている現状について
・コミュニティ通貨による「Take(得る)思考からGive(与える)思考への変化」
今回は、トークンエコノミーの代表格とも言える「STEEM」について、日本語での情報が少ないこともあり、最近の状況を記事でも共有したいと思います。
ここで起こっていることは、日本のトークンエコノミーでも重要だと思います。
・STEEMというと、一般的にどのようなイメージでしょうか?
・「ブログを書いて仮想通貨を稼ぐやつでしょ?」みたいな感じでしょうか?
・実は今、STEEMは世界最大規模のトークンエコノミーになっています。
・ユーザアカウント数は116万を超え、経済圏は250億を超えています(一時は1000億くらい)。
・なぜこんなにユーザが増えたと思いますか?
・1つは、オープンソースであることが重要と考えます。「みんなでプロジェクトを作れる。」このエコシステムを創造するのはsteemit社だけではないのです。
・今、サードパーティアプリケーション(STEEM経済圏のアプリ)が442あるのですが、これにより、STEEMは単なるブログメディアではなくなりました。
・音楽も投稿できるし、動画も価値になる。これにより、アーティストやYouTuberもこのエコシステムに入りました。
・このように、プロジェクトが増えると、それだけできることが増えて、新たなユーザが増えます。その結果が、現在のユーザ数にも反映されています。
・つまり、今何が起きているかというと、コミュニティはプロジェクトを増やしたいと思っています。
・エコシステム拡大のために、コミュニティはプロジェクトを育て、プロジェクトはコミュニティを育てるという相互コラボレーションが重要だからです。
・ではどうやってコミュニティはプロジェクトを育てるのでしょうか?
・実は、STEEMはユーザの活動に応じて報酬を分配するロジックが、すでに2年以上稼働しています。
・これによって、STEEMの初期ユーザやマイナーが、強大な力を持ち始めています。
・ある種このままだと、ヒエラルキーは拡大して、新規ユーザが入り込む余地がなくなってしまいます。
・そうなると、強いユーザも困る。
・そこで注目したいのが、このSPという概念です。
・これは、STEEM経済圏で稼いだSTEEMやSBDなどの通貨を、SPに変換することで、通貨を長期ロックする代わりに、ユーザは影響力(Voteの価値の重みなど)を持つことができます。SPを持つと利子も入るので、強いユーザはSPを持っています。
・そして、このSPは委託することができるんですね。
・要するに、強いユーザはSPをプロジェクトに委託して、ある種スポンサーのようになることができます。
・このSPは必要な時に、委託元の意思で簡単に戻せるので、ほぼノーリスクでプロジェクトを支援することができます。(※SP利子は委託元に戻した後に戻りますが、ただしVoteによるキュレーションリワード機会は失います)
・では、それで何が起こるか?というお話ですが、簡単にいうと、プロジェクトはノーコストで報酬が出せるようになります。
・STEEMの仕組み上、強いSPのユーザがコンテンツにVote(つまりいいね)をすると、リワードプールからその強さに応じた報酬が支払われます。
・プロジェクトは強いユーザたちからSPを委託(デリゲーション)されていますので、ノーコストで報酬を支払えるということですね。
・ちなみにスポンサーも、スポンサーという貢献をしているわけですので、プロジェクトからVoteをもらえば、ある種その報酬として受け取る工夫も可能です。
・このように、オープンソースであることに加え、報酬ロジックとSPデリゲーションにより、経済拡張が実現されます。
・エコシステムで育ったユーザは、新たなプロジェクトを支援し、プロジェクトは新規ユーザを育てます。そして育ったユーザは貢献者側に回ります
・こうしてSTEEMは「コラボレーションメディア」へと進化していくでしょう。
・一方、プロジェクトを支援するプロジェクト/サードパーティも出てきています。
・例えば、STEEM上で分散型次世代クラウドファンディングプラットフォームを実現する @fundition
・オープンソースへの貢献に報酬を付与する、 @utopian-io
・プロジェクトの貢献の報告に報酬を与える @oracle-d などです。
・これらは互いに提携関係を築いており、STEEM上の「プロジェクト支援エコシステム」が育ってきているのがわかります。
・この辺の話も含めて、今度ポーランドで行われるSTEEMの世界的フェスイベント「STEEM FEST」に参加してきます。
・ご興味のある方は、11月17日にHashHubへお越しください
世界のブロックチェーンカンファレンス『Devcon4 / STEEM FEST3』 共有会
・また、日本発でもSTEEMのプロジェクトを生み出していきたいと考えています。
・STEEMの古くからのキュレーターである @yasu24 さんや、最近ハッカソン連続優勝で注目が集まっている serikawa さんと話し始めています。
・ご興味のあるエンジニアの方などは、ぜひSho Tまでお声がけください。
さて、登壇内容はこの後「コミュニティ通貨による人々の思考への変化ついて」に続くのですが、長くなるので一旦ここまでとさせていただきます。
こちらに資料がありますので、先に見たいという方は、ご参照ください。
世界最大トークンエコノミーの動向と、コミュニティ通貨による思考の変化について
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おー、この記事いいですね!私の名前も入れていただき、嬉しく思います。
個人的には、「SP利子は委託元に戻した後に戻ります」のところも「ふむふむ」と思いました。
また、現在 @fundition @oracle-d @partikoといった Steemブロックチェーンのサードパーティに携わらせていただいていますが、「よい機会をいただけているんだな」と改めて思わせていただきました。
Resteemさせていただきました。ありがとうございます!
★追記★ @sndboxも @sho-tさん面白いと思われると思います。
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ありがとうございます!
ただ、もしかしたらこの話、多くの人にとってはちょっと難しく感じるかもしれないですね^^
それでも、このSTEEMのコラボレーションメディア化についての流れは、トークンエコノミーのエコシステムの最先端現象として、より多くの人に届いて欲しい情報のため記事にしました。
多分、こういったことは、この経済規模のトークンエコノミーでなければ起こり得ないことですからね。
かなり貴重な事象が起こっていると思っています。
夢がありますね。私の欲しいプロジェクトもいつかできるかな?
そうですね、いい感じで価値が循環するようになれば、さらに様々なプロジェクトが生まれていく可能性がありますね!
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とてもわかりやすい記事をありがとうございます。私もまだまだですが、日本のコミュニティではこのSP のメリットを活かせていない人が多い気がしているので、この記事が参考になればいいなと思います。
sho-tさんたちの活動にはいつもワクワクさせて貰っています😆
ありがとうございます!
自分も特段SPのメリットを活かせてはいないのが恐縮です^^;
ただ、このようなDAppエコシステムが生まれるほどの経済圏になりつつあるSTEEMが、日本であまり注目されていないのはもったいないと思い、この記事を書きました!
活動については、いつも試行錯誤しています^^
来年はもう少しプロジェクト的なことに関われればなと思っています。
いえいえ、こちらこそです。
私は今年勉強し始めただけですけど、それでもこの半年の間にDAppが充実してきて、仮想通貨さえマイナーなものと思われている日本は取り残されるんだろうなぁってシミジミ思ってます。私は書く立場で試行錯誤してみますので、また色々情報交換できればいいなって思います^^*
そうですね、ぜひお願いします😃!
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Sho-t さん、興味深く読ませていただきました。
デリゲーションについてはHFのあと、Steemitを始めたばかりのmanaが少ないユーザーが投稿・コメントしにくい問題を解消するために、コミュニティー内でのユーザー間のデリゲーションまたはコミュニティー外から得たデリゲーションを始めたばかりのメンバーに分配するのを見かけて、助け合いだなあと思いました。コミュニティーに所属するのも重要ですね。Needlework Monday という手芸のコミュニティーです。
あと、先日@sndboxが紹介していたSteemshopも経済圏拡大の鍵になる要素だと思います。デジタルデータ以外は韓国国内に限られると記事にありますが、ものの売り買いをしやすいプラットフォームは重要です。
https://steemit.com/commerce/@sndbox/onlineshoppingmallsteemshopbuysellwithsteemsbd-ovdpb6gfks
続編の「コミュニティ通貨による人々の思考への変化ついて」も楽しみにしています :)
ありがとうございます!
デリゲーションがだんだん活用されていっているのですね!
強いユーザのモラルがとても鍵になってきています。
Steemshop知らなかったです!色々なものが出てきていますね。
続編については、STEEMの話とは少し変わりますが、こちらもとても重要な話だと思っています!
またアップしますね!
わかりやすくまとめて頂きありがとうございますm(_ _)m
SPのデリゲーションは(自分が受けていることもあり)とても興味のある部分でした。
この委託のシステム、おそらく最初から搭載されているものですよね。何のためにあるのだろうと疑問に思っていたのですが、最近やっと分かってきたようなきがします。格差ばかり広がっても、先がないですもんね。それを最初から見越していた?なんて、やっぱりよく考えられたシステムだなと思います。
私は現状ブログとしてしか使えていませんが、ただのブログサイトではなくなってきているのかー、とワクワクしながら読ませていただきました。
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ありがとうございます!
そうですね、最初からあった機能だと思います。STEEMは早い段階からかなり経済的にも練り込まれたシステムであると思っています。おそらく、めちゃくちゃ優秀な経済の専門家も絡んでいるのでは?と思います^^
私も自身で活用しきれていないのが現状ですが、モバイルでも簡単に色々使えるようになれば、おそらく自然と利用が広がるのではと思ったりしています。
DApp的な側面では、おそらく当面はSTEEMが圧倒的に進んでいく気がしていますね^^
STEEMについて理解が深まりました。ありがとうございます。
ありがとうございます!
こちらこそ、いつも良記事参考にさせていただいております!
フォローさせて頂きました@tamito0201と申します。開発者ですので自分がやりたいことが、@fundition、@utopian-io、@oracle-d など貢献度として跳ね返ってくるというお話に大変興味を持ちました。非常にワクワクしています。
ありがとうございます!開発者の方なのですね。STEEMのサードパーティ開発にもご興味おありですか?
日本発でもこうしたプロジェクトを活用しながらサードパーティを増やしていくプロデュースができればと思っております。
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はい、どのような開発スタイルでやられているのか気になっています。元々サーバサイドを強みとし、スマートコントラクトのプログラムコードも触ったことがありますので、とても面白そうなプロジェクトだと感じています。
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STEEMのAPIはこちらにあるようでして、私はエンジニアではないですが、割とBlockchainの知識をあまり必要とせず作れるようになっていると聞いています^^
他のblockchainよりわかりやすい?というエンジニアさんの反応もありました!
https://developers.steem.io/#introduction-welcome