投げ銭系仮想通貨とオタクコミュニティの難しさ

in #japanese7 years ago (edited)

ドーモ、皆さん。ピーピングアッタマートです。
特に理由はありませんが、いや理由はありますね、仮想通貨の世界というものを気に入り、おそらく今後広がっていくであろう世界へのアクセスの一つとして、Steem itはじめました。
面白そうなWEBサービスには何であれとりあえず首を突っ込んでみるものです。

ガジェットとか紹介できたらいいなぁって思っています。

さて、それだけでは何なので、今後の仮想通貨について一つ、なんかを語りましょう。

現在、日本で仮想通貨をやっている人はそう多くありません。

株や証券をやっている層や、ITに関心のある一部の人、あとは生活に余裕のあるサラリマン、などが現在の主要な利用者層かと思われます。

私はどちらかと言わなくても、マンガ・アニメのオタクコミュニティとは縁のある人間で、そういう世界において、仮想通貨という存在がどれほど遠いか理解しております。

そもそも、中高生も含めた若者の多いこのコミュニティにおいて、
仮想通貨の購入を代表とする「投資」に興味のある人はそう多くない。

が、この層に向けた仮想通貨は幾つか存在し、今も日夜クリエイターに投げ銭などが送られています。

さて、そんな縁遠いオタクコミュニティですが、
ほんのりじんわりと世間への注目も集まり、BTCは知ってる、という人も増えました。
問題はアルトの無名っぷりの方ですが…それはさておき。
モナコインの尽力もあり、
少しずつですが仮想通貨でオタクコミュニティを盛り上げる、という試みは進んでいるように思います。

しかし、まだまだ壁はありますね。
例えば、オタクコミュニティというか、特に日本のサブカル系インターネットコミュニティのスタンダードである非収益の思想は大きな壁でしょう。

趣味で一円たりとも収益を得てはいけない、収益を求めるのは浅ましい、という意見もちらほらと見かけます。
本当かどうかは知りませんが、仮想通貨ブログでよくみる「記事を気に入ったらこのアドレスに投げ銭を」というを絵師が自作イラスト公開と共にやったら批判を受けた、なんて話も聞いた事があります。

その思想への賛否はともかく、仮想通貨に対する壁として大きなものであるというのは確かでしょう。

とはいえ、近年ではYoutuber等のWeb投稿出身者の台頭でアマチュアが収益を得る、というのはインターネット上においてさほど違和感のない価値観となりましたし、
「まとめ」ではない方のアフィリエイトについては、嫌悪感を示す意見も多少は弱くなったかな、と思います。
結局はコミュニティの価値観なので、年々少しずつ変わっていくんですね。
投げ銭というかは別として、patron,enty,fantiaを代表とする月額チップサイトもユーザーを取り込んでいます。(無料で投稿する人が減ったと嘆く人もいるのですが)

私もpatron,enty,fantia,note.には月額課金しているクリエイターの方がいますね。
なので、時間の経過とともに、いずれは薄まっていく壁ではないかと思っています。

そしてもう一つ、これの方が深刻だと思うのですが、

難しいのです。
よくわからないのです。
めんどくさいのです。単純に。

情弱かよ、なんて思った方もいるでしょうが、人間なんて生き物は関心のないことは努めて忘れるシャーロック・ホームズの集まりです。

例えば、私はとあるアニメの劇場版のセリフを空でほとんど言えたり、小説家になろうのテンプレ形成の文化を語ったりできますが、CUIのコマンドは聞いても頭から抜けていきますし、中学生以降の数学は式を見ても理解できません。

世間の人々は利用者が思っているほどITや仮想通貨に関心はなく、coreiの世代を聞いてベンチマークスコアが頭に浮かぶ人間はそう多くない。
(私も無理です。AntutuのSnapdragon800番と600番なら平均スコアくらいなら、まあ…400と200とその前のは知りません)

仮想通貨と、それ以外の、特にアニメ・マンガ・ゲームのオタクコミュニティは縁が遠いのです。
双方に関心のある人がいても、両方に関心のある人間は分母から考えればごく僅か。
去年の末にコミケの話しかしていなかった人もいれば、
コミケで仮想通貨決済ができたと喜ぶ人もいれば、
コミケなんか意識にも上げず年末の大暴落で大儲けした大損したと騒いでいた人達もいるのです。

そこには文化の確かな分断があり、双方には双方の関心事があります。
投げ銭系の仮想通貨の壁とはそれで、
単純に面倒だし、難しそうだし、実際解説を見ないと使い方が分からない物なのです。

取引所から買って→アドレス取得して→送金して→着金確認して→プラットフォームごとに違うやり方でコマンド入れて→それでやっと投げ銭できる

遅すぎるのです。
難しいのです。
チュートリアルなしで直感操作できないのでは、まずやってみようという気を起こさせるのが難しい。
だったら、投げ銭したいークリエイターに直接お金をーという人はJPYを渡しますね。上記の通り、ここ最近は渡しやすくなっているので。

送金も難しい。使い慣れている人でも時々ドキドキする、セルフゴックスの危険がある。
私もちょくちょくセルフゴックスしています。NEMのメッセージ機能への無理解とかね!

そして、根本的に、投げ銭をするのに新しい投稿サイトへ登録しなければならない。
貰った仮想通貨を日本円に変えるには日本の取引所に登録してハガキを待たなきゃいけない。
しかも未成年は使えない。これも面倒でしょう。

エアドロップや、片っ端から投げて使ってほしいと活動している人達の熱意には感心します。
しますが、それだけではまだまだ広まらないだろうと思います。
日本円と同等の、「誰でも使い方が分かる」感が必要だと思うのです。

つまり、仮想通貨の操作自体の簡便化です。そして、既存の大手投稿サイトとの提携。

例えば、イラストならpixiv、小説なら小説家になろうですね。
ゲームだと……ふりーむ……か? vector……? うーん。

そもそも、投稿サイトで投げ銭ができる、という文化自体がまだまだ日本では浸透途上で、ごくマイナーなサイトでの取り組みという段階です。
海外では「Name your own price」つまり「好きな金額を入れてね(基本は0円でもOK)」を大手ゲーム投稿サイトなどでも見かけます。
まずチップ文化がない、という前提を覆すのに、まだまだ時間がかかっているのです。
大手サイトで使えない事には、かなりの時間が掛かってしまうでしょう。

もちろん、これから作った投稿サイトをそれらを超える素晴らしい物にする、というのはとても輝かしい試みです。
ですが、現実問題として、すでにユーザーが定着したものから別な場所で移動させるのは、衰退や、何かの大きな衝撃がなくては難しいでしょう。

例えば、
投稿サイトが数週間サーバーダウンして別所に移動したとか、
二次創作の投稿が禁止になって、二次創作ができるサイトに移動したとか、
サイトのルールが厳しくなってサイトの目玉であるジャンルの作品がどんどん削除される様になったとか、
いつまで経っても画質がHDでシークバー一つ動かすのも有料会員のみにするよ今はねでもずっとだ

とか、そういうのです。きっかけがなければ、人は新しい物に触れません。

どんなにUIが使いやすくても、どんなに優れた点を持っていても、既に定着した物からの移住は困難を極めます。
業界大手企業による知名度と資本のごり押しで解決する以外の方法だと、UIが既存サイトより総合的に良い物となっているのが前提で、上手くいくかはタイミングと運とマーケティング力。
幾つか仮想通貨投げ銭できる投稿サイトを覗いてみましたが、UIや検索がまだまだ途上だな、という印象を受けましたね。これからも頑張ってほしいものです。

JPYに興味のない人でもJPYを使います。
仮想通貨に興味のない人々が使うようになってはじめて、仮想通貨は法定通貨と並ぶ存在になれると思っております。
なれた人でもゴックスする様な今の状況を早く脱して、直感的で、簡単で、誰でもどうすればいいかを一目見れば理解できる。
そんな風にHFを繰り返し、既存の大手投稿サイトと提携して既存ユーザーを誘致し、当たり前のものとして浸透させていく。それが大事ではないかと思います。

あと、税制のめんどくささと、いざやろうとしても登録完了までに時間がかかり個人情報も持っていかれる取引所も壁の一つでしょうね。こればっかりは……まあ……

最後に、そんな壁の高い中でも、果敢に挑む勇者はいます。
つい最近では、ニンジャスレイヤーの作者……ではない、翻訳チームもとい、ほんやくチームが、仮想通貨への接触を行っております。
ニンジャスレイヤーの母体であるダイハードテイルズ出版局のポイント、という体のネタとして存在したDHP(ダイハードテイルズポイント)を仮想通貨として現実化させてしまおうというのです。スゴイ!
何ができるか、というよりも、手を出そうという動きが凄いのです。
逆に言えば、ツイッター小説のパイオニアであり、SF作家であり、新技術に興味津々で、今も多くの新たな試みに飛び込んでいる様な作家でもない限り、いわゆる「典型的な文系」層に届くには、仮想通貨はまだまだ未発展に思えます。
ええ、こんなすげえ話他じゃ聞いた事ないのに、ニンジャスレイヤーのファンの反応が思ったより「ふーん、そうなの」でショックでしたよ私は……

そんな飛び出すペンギンである彼らに敬意を払いつつ、日本でももっと、投げ銭が浸透すればいいのにな、仮想通貨でならなお良い、と思う私でした。

◇以上です◇

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私は「人間間違うこともある、ということを考慮した仮想通貨が出てきたら、それを使いたい」https://steemit.com/japanese/@yadamaniart/4rjqux という投稿で、このままでは仮想通貨が普及するのは難しいということを書きましたが、また別の切り口で、しかももっと深くメスを入れた優れた投稿だと思いました。
今後ともよろしくお願いいたします。

よろしくお願いいたします。
アドレス関連の事はまだまだ要改善でしょうね。
銀行振り込みのように、相手方の名前が表示されたりすると、もっといいと思うのですが…

ppnatmtさん
私も漫画やアニメ好きです^ ^
おっしゃるように、暗号通貨は単純に難しくて使いづらいですよね。
ただ、おそらくこれは黎明期ゆえ、間違いなく簡単に使いやすくなるにつれ、どのような層にも自然に使っているインターネットのようになるものだと思います。
NEMをご存知ならすでにお分かりかと思いますが、マルチシグやマイクロペイメントなんて、若者やオタクに利用シーンがありそうな気がしてなりません^ ^
逆に言えば、今この使いづらい時期からパイオニアとなって様々なことを知っていくことで、将来のコミュニティへの貢献に繋げられるかもしれないですね^ ^

よろしくお願いいたします。
難しそうで使いづらくて間口が狭い、これが問題だろうなぁと思っております。

そもそも、法定通貨より自由な立ち振る舞いが出来る仮想通貨という存在において、購入に法定通貨と取引所を通さなければいけないのがナンセンスで、法的な壁とはいえ何とかしてほしい問題だと思います。

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