映画書評 #1 「泥の河」オススメ度 8.5/10
映画の感想をSteemitにも記録として残していきたいと思います。
1回目は「泥の河(1981)」です。
基本情報
原作 1977年
映画化 1981年
詳細はこちらに譲ります
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A5%E3%81%AE%E6%B2%B3
オススメ度は8.5/10
「もはや戦後ではない」が悲しく響く昭和30年代の大阪が舞台
舞台は戦争から10年たった昭和30年(1955年)、大阪の河口の粗末なうどん屋さん一家。
未だ戦争の傷跡に苦しめられている人と「もはや戦後ではない」人たちが共存しながら、高度経済成長に入っていく様子が描かれています。たった60年前の日本はこれだけ貧しく、ものがなかったのだなということが信じ難いです。
戦後復興の始まりにありながらもそれに取り残されている人たちが織りなす世界からは、これからの希望ではなくまだこれから生きていかねばならないという悲哀を感じます。
いつの時代も子を想う大人の愛情はハートフル
河口のうどん屋の子供・信雄が出会ったのは、水上船で生活している家族の子供・喜一(きっちゃん)。日本にも船の上で生活していた人がいたことに驚きです。
多感な子どもは、自分がどういう境遇で、そして相手がどういう境遇なのかを周りの反応や見聞きすることから感じ取ります。復興に向けて猛スピードで動いていくこの国で、川のほとりでうどん屋の息子をしている自分。そして船上で生活しているきっちゃんとの乖離。最後に知ってしまったきっちゃんのお母さんの正体。
そんな子供たちの敏感な気持ちに対して、親たちの対応も子供への敬意が感じられ、ハートフル。いつも未来を作っていくのはこれからの子供達であり、彼らの幸せを願う親の気持ちは戦後だろうが2018年だろうが変わらないのだろうなと感じさせてくれます。
出会っては別れる、そんな「一期一会」が多くあったんだろうなぁ
iPhoneもなければメールアドレスもない、みんながせわしなくより良い未来のために奔走していた時代。
多くの出会いがあり、お互い励まし、そして別れていく。そんな「一期一会」が今よりももっと多くあったのだろうなと感じます。誰とも交わらずとも娯楽を楽しめてしまう今とは異なる昭和の活気を少し羨ましくも感じます。
生まれてくる環境は選べません。「泥の河」での2人の少年の出会いにどこか懐かしさを感じるのは、そんな偶然と時代に翻弄されながらも前向きに生きていこうとする人たちに今も出会うからかもしれません。
1981年度の日本アカデミー賞を始め、海外でも高い評価を受けているそうです。
あまり邦画を知らないのですが、素敵な紹介で観てみたくなりました(๑•᎑•๑)
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そう言っていただけて頑張って書いた甲斐があります!
この感想では良さが伝わりきっていないなぁと少し悲しいぐらいなので、是非!
会話にお邪魔します。自分も未見→記事を読んで観てみたいって思いました。今回の記事構成のバランス(これから観る楽しみを損ねない)は自分にはちょうど良い感じでした。ご紹介ありがとうございました。
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ありがとうございます、励みになります!
「具体的なネタバレやめてくれ」と「抽象的すぎてよくわからない」のバランスがとても難しいですね><
今回の作品は思い入れが強いので気合を込めてかけました。
自分なりに魅力が伝わるように書いていきたいと思っていますのでこれからもよろしくお願いします!!
うわぁ、いいですね〜!
若い頃に観たきりですが、蟹を燃やすところが印象に残っています。
久しぶりに観たくなりました(笑)
一発目は流行ものではなく、めちゃくちゃ有名ではないけれどもみんなに見て欲しい作品にしようと考えてました。
60年で日本は劇的に変わったんですね。でもいつの世も子供を思う親の気持ちは変わらないのですね。
すごい速さですよね。これからも1年ごとに大きく変わっていくのだろうと思います^^
Steemitもどんどん大きくなることを期待してしまいます!