本庶佑氏・ノーベル生理学・医学賞受賞・Dr. Tasuku Honjo won Nobel Prize in Physiology or Medicine

in #japanese6 years ago (edited)

みなさま、こんにちは! 本庶先生がノーベル生理学・医学賞を受賞されたと聞いて大変興奮しています。将来、人間が癌で死亡する時代は幕をおろすことでしょう。癌が免疫システムにドンドン打ち勝って増殖するなかで、この度、本庶先生によって発見された阻害抗体は人類の医療にとって多大な貢献をもたらしたと思います。今回の受賞について私なりにまとめてみました。

PD-1

本庶氏は、免疫細胞が持つPD-1という役割の不明なたんぱく質を見つけました。ネズミからPD-1を取り去って実験したところ、ネズミの心臓が破壊されました。PD-1がなければ免疫細胞が暴走し、正常な細胞を攻撃してしまうところから、PD-1は免疫細胞を制御するブレーキであることが解明されました。免疫細胞にはアクセルとブレーキの二つのスイッチがあって、ずるがしこい癌は、手を伸ばして免疫細胞のブレーキボタンを押してしまいます。ブレーキボタンを押されてしまい、全く機能することができなくなった免疫細胞は、癌をやっつけることができなくなり、癌は野放し状態になるわけです。

宇宙人もかなわない!

以前、面白い映画を観たことがあります。題名は忘れました。宇宙人が地球を襲撃しにきて、地球人と宇宙人の戦争になるのですが、結局、地球上のバイキンに免疫力のない宇宙人は細菌やウィルスにより全滅してしまうという物語です。人間の免疫システムは非常によくできていて、自分の体の一部でないもの、つまり遺物が入ってきたと判断すると、それを徹底的に排除するようにできています。

素晴らしい免疫システム

人間の体内にはパトロールして病原体を発見する細胞があります。ひとたび病原体が発見されると、ヘルパーT細胞に通報がいくことになっています。通報を受けたヘルパーT細胞は、B細胞とキラーT細胞に病原体をやっつけるように命令します。B細胞は人間がピストルを使うように道具を使って病原体をやっつけます。キラーT細胞は、素手でやっつけるわけです。頼もしいですね。

自分の免疫細胞でやっつける!

人間の体にはこんなに素晴らしい免疫システムがあるのに、癌は、「おだまりなさい」と涼しい顔をして免疫細胞を黙らせてしまうわけです。要するに、免疫細胞のブレーキボタンを押して、文句を言わせないようにしてしまうわけです。そこで、癌細胞から伸びている手をはねのけ、ブレーキボタンをプッシュさせないように保護する薬が開発されました。このことによって、人間が本来持っている免疫細胞で癌をやっつけることができるようになるわけです。現在、この薬がいろんな癌に適応されるように研究が進められています。全身に癌が転移していた人も普通の人と同じように日常生活を楽しんでいると聞きました。

医学は日進月歩で進んでいます。将来、人間の死因は老衰だけになって、癌などで苦しむことのない時代が早くやってくるといいですね。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

You can read this post in English.
http://jasmineyoko.com/2018/10/02/english-edition_dr-tasuku-honjo-won-nobel-prize-in-physiology-or-medicine/

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解説ありがとうございます(全然知りませんでした…)
さすが、看護師さんですね✨
免疫力にアクセルとブレーキがあったとは!昔観たという映画も気になりました。

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癌が完治する時代がきたらいいなぁ。
本庶先生ってすごい人です。最初はこの薬の開発を依頼したら製薬会社にまったく相手にされなかったようです。まさに、一念岩をも通すという勢いで頑張られたんですね。

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