バッドラックオフ(短編小説)
私は小百合が憎い。あんな奴、死んでしまえばいいのに、と心の底から思う。私は良平と結婚する事になっていた。将来を夢見ながら私と良平は幸せな日々を送っていた。なのに、小百合が私達の幸せを奪ったのだ。
良平は私を裏切り小百合と結婚した。私は住んでいた町を去り、都会の片隅でひどい喪失感から解放されるすべもなく、ひたすら仕事に人生をかけて暮らしていた。そして、私は年商10億を超える会社の経営者となった。
ある日のこと、奇妙なハガキがポストに入っていた。株式会社 バッドラックオフ「あなたの不幸を高価買取します。未来をあなたの思い通りのシチュエーションにしましょう」と書いてある。馬鹿馬鹿しい、と思ってハガキをゴミ箱に捨てた。どうせ詐欺に決まっている。
ハガキには鮮やかな花束のイラストが描かれていた。花束を飾っている真っ赤なリボンが印象的だった。私はゴミ箱からハガキを取り戻し、内容を詳しく読んだ。小百合と良平のことが頭にパットひらめいた。報酬はお金ではなく、私の幸せの一部を支払いに充てることになるとのこと。
お金ならいくらでもあるのに、私が支払いに充てられるものって何なんだろう? 翌日、私はバッドラックオフに足を運んだ。オフィスのあるビルはすでに築40年は経っていそうな感じで、壁は落ち、シミだらけの汚いビルだった。オフィスの呼び鈴を鳴らすと中から一人の老婆が姿を現した。
私は小百合と良平が破局になるように依頼した。老婆への支払いは、実家の母がすすめていた見合いの話を断る、というものだった。写真を見る限り、なかなかのいい男で職業は医者である。どうせ男なんて裏切るし、医者と結婚しなくても、私は生涯何もしなくてもいいほど金を持っている。
やがて、小百合は浮気をして良平と破局になった。一人娘は小百合が引き取った。私の復讐は終わった。お金をかけることなく大成功をおさめた。バッドラックオフに感謝だ。
そう思っていたのもつかの間だった。小百合の浮気の相手は私がお断りしたお見合いの相手だったのだ。連れ子の娘と幸せに暮らしているという。
私の思い通りのシチュエーションになっていないと、バッドラックオフに苦情申し立てに行くと、例の老婆が出てきて。「小百合と良平を破局にしたのだから、あなたの思い通りのシチュエーションになっている。そのあとのシチュエーションも変えてほしいのなら、もう一度あなたの幸せを支払いに充てて再度依頼してください」と言われてしまった。
老婆はさらに言った。「最大の復讐は、あたなが幸せになることです」と。
マザーテレサの言葉より:
「お金持ちでさえ、愛に飢えています。大切にされること、必要とされること、名前を呼んでもらうことを、心から欲しています。」
最後まで読んでくださってありがとうございます。
また会いましょう。
http://jasmineyoko.com/2018/08/04/english-edition_bad-luck-off-short-story/

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STOP^ - ^こういう話好きです。ちょっと怖い、誰にでも起こりうる話ですよね(^^) 最後の言葉もその通りだなと思います!!
読んでくださってありがとうございます。これからもよろしくお願いします。