前途多難な食材配送サービス業
ブルー・エプロンがニューヨーク証券取引所に上場されたのは6月29日でした。
ブルー・エプロン:食品配送サービス会社。料理に必要な食材キットを消費者に直接配送するサービスを提供する。家庭料理のレシピや新鮮な食材の提供に焦点を置き、食材の調達・処理・保存・包装に従事し、送料は無料。食事とワインの2人用セット、家族向けセット、週3回セットが主力プランに含まれる。(ヤフー・ファイナンス)
株価の方は、上場以来全く良いところがありません。
6月29日、ブルー・エプロンは10ドルで取引を開始しました。現在の株価は、たったの3ドル79セントですから、なんと60%を超える大幅下落です。
木曜(11月2日)、ブルー・エプロンは、一株利益は予想以下、収益は予想以上という第3四半期の決算を発表しました。更に、第4四半期の売上は予想以下になりそうという見方も公表され、バークレイズのアナリストはブルー・エプロンに売り推奨、そして目標株価を3ドルに引き下げました。
株価が大きく崩れる原因となったのは、ブルー・エプロン上場1週間後に発表されたこのニュースです。
米インターネット通販大手のアマゾンが、食材キット宅配業に参入するというニュースが報じられた。同じく食材宅配サービスを提供する米ブルー・エプロンの株価は、この報道後に急落している。ブルー・エプロンは新規顧客の獲得に苦労したと言われているが、アマゾンはその点で問題ない。近年の企業買収もあり、アマゾンの競争力は増している。(Forbes)
言うまでもなく、この報道を聞いた投資家は、「ブルー・エプロンは終わった。完全にとどめを刺された」と判断し株を投げました。
アマゾンという強敵が現れた今日、ブルー・エプロンは存続するために、いったいどんなことをする必要があるのでしょうか。ジェレミー・ボウマン氏(The Motley Fool)は、こう述べています。
アメリカには以前、1000を超える自動車会社があった。しかし、最終的にその数は3大自動車会社だけとなった。食材配送サービス会社も同様な道をたどることになるだろう。食材配送サービスは現在初期段階であり、完全ベジタリアン、無グルテンなどをテーマにした会社が次々と誕生している。
この業界でブルー・エプロンはリーダー的存在だが利益は無く、成長速度が急速に衰えている。リーダーがこんな状態なのだから、他社も似たような状況だろう。自動車業界が通過したように、食材配送サービス業にも合併が起きることだろう。
ブルー・エプロンが生き延びるためには、小さな企業の買収、またはこの業界の大手であるPlated社、あるいはHello Fresh社との合併が必要だ。
ボウマン氏は、食材配送サービス業は、単なる一時的な流行である可能性についても触れ、こんなことも指摘しています。
食材配送サービスを利用するのは決して安くない。スーパーマーケットに行って、自分で食材を揃えた方が割安だ。
面白そうだから試してみよう、と食材配送を利用しても、コストの面で割高であるのなら、消費者は再注文などしません。それに、配達をしてくれるファストフード店が増えていますから、そちらを利用した方が手っ取り早く直ぐに食べることができる食品を手に入れることができます。
もう一度、ブルー・エプロンの日足チャートを見てみましょう。
入れた線はVWAP(出来高加重平均)です。見ての通り、株価はこの線より下で推移し、上場以来買った人の損益を合計するとマイナスであることが示されています。言うまでもなく、投資心理が好転し、積極的な買い手を集めるためには、株価はVWAPを上回る必要があります。



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