よりいっそう注目される今週のFOMC

in #japanese6 years ago

今日も冴えない展開となり、月曜の米国株式市場は真っ赤、全面安という惨憺たる状態です。

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興味深かったのはCNBCのトップ・ニュースです。

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「この調子で株式市場が下げて行くと、今年12月の相場は大恐慌時代以来最悪の12月になる」といった意味のことが報道されています。この記事に興味を感じたのは「大恐慌」という言葉が使われていたためです。「景気後退期」、「不況」、「不景気」などといった言葉ではなく「大恐慌」ですから、投資家たちが現在持つ不安感は思っている以上に大きい可能性があります。

下は、2008年10月に発売されたタイム誌の表紙です。

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ご存知のように、2008年の相場は金融危機で極めて厳しい下げとなりました。表紙にはThe New Hard Times(新しい苦難の時代)と大きく記され、大恐慌時代の写真が使用されています。2008年の相場は投資家にとって悪夢でしたが、街は失業者であふれ、無料スープを求める人たちの長い列ができる、といったことは起きませんでした。

もう一度CNBCのニュースを見てください。「このペースで下げて行くと、今月のマーケットは大恐慌時代以来最悪の12月になる」ということなのですが、「大恐慌」などという大袈裟な言葉を見た人たちの一部は失笑し、「そろそろ一時的な反発ラリーが起きそうだ」と思ったことでしょう。一般論になりますが、ニュースの見出しは逆指標です。「知ったら終い」という有名な言葉があるように、皆が材料を知ってしまったら相場は一先ずお終いです。

現在のS&P500指数は重要な位置に達しています。下が日足チャートです。

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特に指摘したいことが二つあります。

1で分かるように、S&P500指数は、多くの人たちに注目されている2月の安値をテスト中です。冴えないマーケットが展開されていますが、この安値がサポートになる可能性はまだ残っています。

矢印の方向で分かるように、S&P500指数は下げ方向ですが、RSI(相対力指数)は切り上がり買いシグナルと解釈できるダイバージェンスが起きています。もちろん、ダイバージェンスの後には必ず反発ラリーが起きる訳ではありません。しばらく横ばいとなり再下落というパターンもあるので注意です。

ダウ平均にも似た様子を見ることができます。

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サポートライン(1)が迫っています。そしてダイバージェンスも起きています。一般的に言えることは、サポートライン付近では、空売りを買い戻して利益を確定する動きが起きますから、少なくとも2,3日の短期ラリーが起きるのが普通です。更に、水曜にはFOMCから政策金利が発表されパウエルFRB議長の記者会見もあります。マーケットが重要なレベルに達しているだけに、今回のFOMCは通常以上に注目されそうです。

(情報源:The stock market is on pace for its worst December since the Great Depression

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