[Enigma Catalyst] Enigmaトークンセールの仕組みについて— パート2
本記事は、先日投稿されたトークンセールに関する記事の補足記事となっています。その記事を投稿して以来、コミュニティの皆さまから数多くの懸念が示されていることを耳にしています。また、Twitter、Slack、Telegram、Googleフォームなど至る所で、記事の内容に関して改善を求める投票が行われていることも目にしてます。コミュニティの皆さまから数多くのフィードバックを頂けたことによって、私たちは自分たちの伝えたいことを上手く伝えきれていないということを強く実感しました。
Enigmaの構築は数十年にも及ぶプロジェクトであるため、私たちは資金を適切に供給することよってプロジェクトの健全性と持続的な成長を確保したいと考えています。その一方で、プラットフォームとしてのEnigmaにはお互いに信頼し支え合うことのできる活発なコミュニティが必要となります。このような場合、この2つの要求は真っ向から対立することになってしまいます。出資上限を増やすということを公表した際に、私たちは資金調達やプロトコルに対するビジョンを皆さまにうまくお伝えすることができませんでした。その当然の結果として、多くのコミュニティの皆さまを失望させてしまうことになってしまいました。私たちのコミュニケーションの方法に不備があったことに対して、ここで深くお詫び申し上げます。
本記事では、Enigmaの設立当初からの考えについてだけでなく、現在の立ち位置についても明確にしたいと考えています。本記事をお読み頂くことで、なぜ私たちが先日公表したようなトークンセール方式を選択したのかについて明確な答えをご提供できれば幸いです。
Enigmaの基本的なビジョンは、ウェブ向けのデータマーケットプレイスを作るということです。そのビジョンを実現するためには、全く新しい種類のクラウドコンピューティングプロトコルが必要となります。そして、そのプロトコルはただ分散型であるというだけでなく、セキュアでかつインセンティブ(Enigmaの場合、ENGトークン)によって機能するようなものでなければなりません。そのようなプロジェクトの構築とスケーリングに技術的に挑戦するということは、とてつもなく大きな困難を伴うことでもあります。ホワイトペーパーや128ページにもおよぶ論文の中で説明されているような取り組みですら、弊社にとっては氷山の一角にすぎません。弊社のビジョンにつきましては、以前に2つのパートに分けてブログ記事でお伝えしています。詳細につきましては、ぜひ「Catalystを超えて: データの未来に対するEnigmaのビジョン」と「分散型のデータマーケットプレイスを目指して — Part 2」をご参照下さい
弊社のビジョンを強く信じて下さっている投資家やコントリビューターの皆様の中でも特に熱心な方は、Enigmaには自らのビジョンを実現する力があるということに関して深い信頼をお寄せ下さっています。このような投資家の方々は、自身の専門とする分野において長年の経験を持った専門家として認められています。また、弊社への支援を表明して下さっている機関投資家の中には、Pantera CapitalやFenbushiなどが含まれています。Pantera Capitalは、トークンプロジェクト専門のファンドであるPantera ICOファンドを新たに設立し、そのファンドを通して投資を行っています。他方、Funabushiは中国初のベンチャーキャピタルファンドであり、ブロックチェーン技術を活用して革新的なユースケースを構築しようとしている企業の支援を主に行っています。また、Michael Arrington氏(TechCrunchとCrunchfundの創業者)、Jake Gibson氏(NerdWalletの創業者であり、Enigmaの顧問も務めています)のような方々だけでなく、MongoDBのような成功を収めたプロジェクトへの投資実績のあるFlybridge Capitalのパートナーの皆さまからもご支援を頂いています。さらに、弊社のプレセールで投資して下さった方の多くが、新しいトークンセールの条件に同意して下さっています。そのような方々にはすでに新しい条件に変更して頂いており、そうでない方にも現在変更の処理を行って頂いているいるところです。
上記のような投資家の皆さまからのご支援やご関心だけでなく、弊社のプロダクトやトークンに対するコミュニティの皆さまからの信じられないほど大きな需要も私たちは目の当たりにしています。先月、Enigmaのコミュニティは飛躍的な成長を遂げました。Catalystにはすでに数万人ものユーザーの皆さまにご参加して頂いており、そこではたくさんのストラテジーが投稿されています。また、弊社のコミュニケーションチャンネルでは、Telegramで8,000人以上、Slackで12,000人以上のメンバーにご参加して頂いており、暗号通貨コミュニティの中でも最大規模と言えるほどまでに成長しています。しかも、その規模はトークンに関する領域に限ったものではなく、暗号通貨全般での規模になります。
弊社のセールにはこれまでに45,000人以上もの方々から関心をお寄せ頂いており、その需要の規模はざっと見積もっただけでも2.5億ドルにも達します。 弊社は、2,000万ドル分のトークンのプレセールの申し込みを一般セールの三週間にすでに打ち切っており、これ以上のご参加はお断りしています。しかし、それでも依然としてプレセールに関するお問い合わせが毎日のように寄せられています。また、需要が急激に増加したために、私たちは当初の予定よりも2日も前倒しでホワイトリストの申し込みを打ち切る必要がありました。最近、ホワイトリストの参加者の皆さまにトークン購入の意思を再度ご確認させて頂きましたところ、90%以上もの方々からぜひ購入したいというご回答を頂きました。これにより、一般セールの前にも関わらずトークン全てが予約済みになってしまう恐れがあったため、キャンセル待ちリストを一時的に停止せざるを得なくなりました。以上のような事実は、トークンの購入希望者が何を望んでいるのかを非常に強く示すものであり、私たちは可能な限りそのご要望に応えたいと考えています。新しいセールの条件が公表された今でも、2,500人以上の方から新たな関心をお寄せ頂いています。
トークンセール全般に関してこれまでにないほどのご関心とご支援を頂けたことによって、私たちはホワイトペーパーに記載されているEnigma当初のビジョンにまで目標を広げることができるのではないかという自信を得ることができました。トークンセールに対する私たちの当初の考えでは、暗号通貨トレーディング用のアプリケーションに焦点を絞ったデータマーケットプレイスを作るということを中心としていました。しかし、さまざまな企業やコミュニティの皆さまからこれほどまでに多くのご支援を頂けたことにより、私たちはあらゆる種類のデータに対してロングテール効果を生み出すことのできるプロトコルの構築を目指すということを強く決意しました。
Enigmatとは基本的なプロトコルであり、その上に一連の分散型アプリケーションを構築していくことになります。将来的には、私たち以外の他の人でもアプリケーションの構築を行うことができるようにしたいと考えています。他方、CatalystとはEnigma初となる分散型アプリケーション(DApp)のことであり、データマーケットプレイス、分散型コンピューティング、オフチェーンストレージ、ID管理などの「レイヤー」内でEnigmaのコア機能やそれ以外の補足的な機能を活用することになります。スケール、野心、複雑さという点で、このようなプロトコルを構築すると言うことは、IPFS、Tezos、EOSなどのプロジェクトと類似しているとも言えます。これらのプロジェクトでは、自らの使命を果たすために1億ドル以上もの資金を調達しています。未来におけるデータの管理方法を実現するために共生的な機能とエコシステムを作るということは、明確なビジョンを伴う活動でなければなりません。
資金調達額に関すること以外でコミュニティの皆様からお示しされた懸念事項として、セールの仕組みと個人毎の出資上限に関するものがありました。最終的なセールの仕組みをデザインする際に、私たちはベンチマーク調査を行っています。その結果、成功を収めたトークンベースのプロジェクトの多くがかなりの比率のトークンを自社用に保持したり、より積極的な条件のトークンセール二よってドルの調達を行ったりしているということが分かりました。Civic(66%)、Gnosis(95%)、Storj(70%)などはこのことを示すよい例であり、これらのプロジェクトではチーム用としてかなりの量のトークンを保持しています。このことは、トークン購入者にとってはトークンの希薄化の可能性が高くなる一方で、チームによって保持されているトークンの透明性は低くなってしまうということを意味しています。長期的な視野をもった野心的なプロジェクトとして、私たちはトークン供給量全体の50%もの量をトークンセールで販売することによって、コミュニティにとって望ましい条件を設定しようとしています。
トークン配分に関しては、私たちは0xのキャップ付きトークンセール方式と公平な比率式払い戻し方式をお手本として独自の方法を作り、一般セールにおいてホワイトリスト参加者とそれ以外の新しい参加者との間で利益のバランスを保とうとしました。これによって、EnigmaとCatalystの長期的な開発に関心のある活発なコミュニティを作ることができると私たちは考えたのです。Enigmaプロトコルではトークンのマイニングを行うことができません。そのため、トークンセールでしか初期価格でトークンを購入することができないような場合に需要の高いトークンを幅広く分配するためには、個人毎に出資上限を設けることによって、「クジラ」たちによるトークンの買い占めを防ぐしかありません。そのような仕組みがあれば、プロジェクトの長期的な利益のためにセールに参加する人でも、希少なトークンを購入することで短期的な利益を求める人と同等の機会を得ることができるようになります。
以前のトークンセールの方式に戻すことはないということを私たちはここではっきりさせておく必要があります。以前の方式の問題点について、私たちは、投資家の皆さま、パートナーの皆さま、そして顧問の皆さまと徹底的に検討を重ねました。その結果、短期的にも見ても長期的に見ても、Enigmaだけでなくパートナーや投資家の皆さまにとって利益をもたらすことにはならないと判断しました。だからといって、コミュニティの皆さまからの声に耳を傾けないというわけでは決してありません。月曜日に公表されたトークンセールの内容に関しては現在もなお検討を重ねています。
その一環として、私たちはトークンセールで払い戻し方式を採用しないことを決定しました。その結果、ハードキャップである4,500万ドルに達した場合、その時点ですぐにセールが終了することになります。これにより、参加者の皆さまは資金の払い戻しのために1ヶ月も待つ必要がなくなります。投資した金額がどのような額であれ、それが皆さんの受け取るENGの額になります。この変更により、コミュニティの混乱やリスクを大きく緩和させることができると私たちは考えています。払い戻し方式を採用しようとしたことで混乱を招く結果となってしまったことに対して、ここで改めてお詫び申し上げます。なお、この変更を行ったことにより、 以前にお伝えしていた個人毎の出資上限がわずかに低くなる可能性があります。これは、トークンを幅広く多くの方に配布するためには仕方がないことだと私たちは考えています。詳細につきましては、できるだけ早くお伝えするようにします。ホワイトリストの枠二つきましては、現在でも有効なままとなっています。そのため、ホワイトリストの参加者の皆さまは、通常のクラウドセール参加者よりも出資上限が高く設定されることになります。
以上のことは、EnigmaとCatalystのビジョンを実現させていくという数十年にも渡るこれからの長い旅のほんの始まりに過ぎないということを私たちは理解しています。この分野において、私たちは最も野心的なプロジェクトの構築に取り組んでいるため、その目標は長期的な成功を確実にするものでなければなりません。顧問の皆さま、投資家の皆さま、そしてプロジェクト当初からの支援者の皆さますべてが、弊社に惜しみなくご支援を提供して下さっています。そして、お互いに信頼できるような活気のあるコミュニティを作ることで弊社のビジョンを実現するという決意をご支持して下さっています。このような未来を築き上げていくために、今後も皆さまからのご支援を頂き続けられれば幸いです。