ブロックチェーンガバナンス問題に着目しているDfinityについて。
ブロックチェーンのコンセンサスはPoWやPoSなど承認ルールが規定されています。ではそのルール誰が決めるのでしょうか?
よく、Code is lawなどと界隈では言われます。しかし、そのコード自体を書くのは人間ですし、採用するかどうかも人間です。Bitcoinのハードフォークはその事実を詳らかにしました。
PoWはマイナーの発言力が強くなりすぎたため1年以上かけてSegwitをアクティベートする始末です。EthereumはThe DAOで緊急ハードフォークを行った為にETCが生まれました。前者はマイナーの力の力学で適時アップデートが出来ない点、後者はEthereum創設者Vitalikの中央集権ではと批判を浴びました。
すなわち、ブロックチェーンにはガバナンス問題が存在します。
この点に注目を当てたのがDfinityだと思っています。DfinityはCloud3.0を目指しています。利用してもらう為にも即時変更を効率的に実行したいわけすね。そして分散していることによるコスト低減も図りたいわけです(末尾に図を貼り付けました)。よって効率的なガバナンスシステムを必要としたわけです。
DfinityはBNSシステムでガバナンスを担います。実は2017年に開催されたEDCON Parisの時はAI is lawと発表されていました。すなわち、BNSとは脳の様な役割をするよ!自律的に判断するよって感じかと思ってました。(下図)
調べてみると、DFNトークンをBNSシステムにデポジットをすることで応分のNeuronが生成されBNS(脳) の一部になるようです。まるで脳神経系の様に各Neuronがリレーションして決断を下すのです。このリレーションは採決率などのにより重み付けされ随時再構築されるものと推測されます。機械学習のようなものかもしれません。BNSはバーチャルマシーンに特権コードを持っています。よって、BNSが導き出した結論を特権コードを通してシステムアップデートされます。
DfinityはPoSなのですが、DFNトークンをガバナンスに使うかマイニングに使うのか選択できます。どちらの選択をしても手数料が発生するのでデポジットするインセンティブが働きます。
公式のQ&Aとブログから得られた情報で、BNSのデポジットフローを図にしました。
DFNトークンをデポジットしてNeuronを生成する流れ。
DFNトークンをデポジットしてマイニングエンティティを生成する流れ。
といった感じです。他にも特異なオンチェーンスケーリングコンセンサスを持っています(Crypto3)。閾値リレーなどを使ったネットワーク分散の仕組みなど。その辺りは別の機会に解説したいと思います。
色々と以前のブロックチェーンと異なる点を持つプロジェクトですね。まさしくブロックチェーン3.0でしょうか。。
今後の動きも要注目です!
DFNトークンの役割(公式のスライドの抜粋)
当たり前ですが、システムの利用料、マイニングソフト利用料、Neuron生成費用といったところですかね。
コスト削減のプレゼン資料(公式のスライドの抜粋)
現在のクラウドサービスに比べてトータルで75%削減できるそうです。
追加:実はEOSととても競合しそうです。DPoSがいいのかBNSがいいのか?
ガバナンスをコミュニティではなくAI(BNS)で行おうというのが面白いですね。
徹底的に人間の不完全性を排除していくといった感じですかね^^
以前、大石さんの記事で、DAOの定義の図があったのですが、組織の中心と外部に何を置くかという図があったのですが、DAOは組織の中心は自動化で外部は人間、という構図でした。
一方で組織の中心を自動化、外部も自動化というのをAIと定義していました。(これも広義のDAOで良いのかと思うのですが)
http://agora-web.jp/archives/1595928.html
Difinityはまさに後者の分類だなぁと思いました。
君主制も議会制民主主義もけっきょくふはいしますよ。AIのやうな主体を試してみる価値はありますね。
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