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イーロン・マスクが、迅速展開型の発電事業者APR Energyを10億ドル(約1,600億円)超で買収。

APRはトレーラー搭載型のガス・ディーゼルタービン群を運用する「移動式発電所」の世界最大級プレイヤー。
合計1.1GW超(約75万世帯分)の発電能力を持ち、起動から10分未満でフル出力、20MW〜500MW超のターンキー設置が可能。
本来は災害復旧・鉱山・離島・系統接続前のつなぎ電源として活用されるもの。

買収の狙いは恐らくですが、xAIの電力事情が背景にあると思われます。
Grok用スーパーコンピュータ「Colossus」は系統電力からの調達では間に合わず、既に移動式タービンを大量使用しています。(無許可稼働を巡り環境団体からクリーン大気法訴訟を提起されていますが)
SpaceXのIPO関連開示でも、AIデータセンター向けガスタービンインフラに28億ドルのコミットが記載されており、電力調達に奔走していることが読み取れます。

AIデータセンターの制約はGPUから電力へ移り、米国では系統接続の待機列が数年単位、ガスタービン新造はGE Vernova・シーメンス・三菱重工の受注残が2028〜30年まで埋まっています。
既に存在し、10分で起動し、トラックで現地に運べる1.1GWの発電能力は、$1B/1.1GW≒約900ドル/kWという値付けをしても、納期ゼロのプレミアムを考えれば安いという計算と考えられます。

今回、イーロン・マスク個人で買収しているのも興味深いですね。Teslaで化石燃料発電を買えばブランドポリシーに反しますし、xAIだとタービン絡みで訴訟リスクと許認可問題が増えます。
個人保有なら、xAI・SpaceX・Teslaいずれにもリース供給できる柔軟性を保ちつつ、切り分けも効くということなのかもしれません。(関連当事者取引にはなりますが)

太陽光と蓄電池の伝道師がガス・タービン群のオーナーになるのは皮肉な話ですが、恒久電源(ガス火力・原子力・再エネ)が立ち上がるまでのブリッジ需要は数年続くという公算のようですね。

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