鹿肉料理専門レストラン「鹿鳴茶流 入舩」
今回ご紹介するのは、鹿肉料理専門のレストラン、「鹿鳴茶流 入舩」です。
鹿肉料理「も」食べられるお店なら、いくつかあるかもしれませんが、「鹿肉料理専門」のお店はあまりないのではないかと思います。それだけ、鹿肉へのこだわりと情熱がこめられたお店なのです。
このお店を経営する会社は、害獣として駆除された鹿の有効利用のため、このレストランだけでなく、鹿皮の加工にも関わっているそうです。野生動物の駆除については賛否両論あることと思いますが、現実問題として、増えすぎた鹿による農作物の被害があとを絶たないだけでなく、森林の生態系にも影響を及ぼしている以上、対策をとらざるを得ません。本来の天敵であったニホンオオカミが100年以上前に絶滅してしまったため、鹿の頭数を調整できるのは人間しかいないのです。鹿肉料理が普及して鹿肉の利用が拡大すれば、駆除にかかるコストをまかなうことが可能になります。
前置きが長くなりました。レストランである以上、肝心なのは味です。どんなに情熱があっても、まずかったら普及のしようがありません。
今回オーダーしたのは日替わりランチです。
この日の日替わりランチのメインは鹿肉ステーキデミグラスソースで、これに「本日の麺料理」(この日はフォーでした)、サラダ、鹿肉すじ煮込み、本日の小鉢(3種類あって、ひとつはひじきの炊いたもの、残り2つは何という料理かよくわかりませんでした。すみません)、漬物(この日はキムチでした)がつきます。
ジビエ料理というと、臭みとかあるんじゃないかと心配する方もあると思いますが、全くそういうことはありませんでした。僕は今までいろんなところで鹿肉を食べたことがありますが、臭みを感じたことはありません。そういう意味では、鹿肉は一番なじみやすいジビエではないかと思います。鹿肉は高タンパク低脂肪でさっぱりした味わいですが、デミグラスソースがその特長をうまく活かしていたと思います。「鹿肉すじ煮込み」の肉は、口に入れて噛もうとした瞬間にほろほろと崩れていきました。すじ肉をここまでやわらかくするには相当煮込んだのではないでしょうか。サイドメニューにも手間を惜しまない姿勢を垣間見ることができます。これなら鹿肉料理の普及も決して夢ではないでしょう。
鹿肉は低カロリーで鉄分をはじめとするミネラルが豊富ですので、女性にもおすすめだと思います。一度、経験していただければ、鹿肉に対する先入観を払拭してもらえるのではないでしょうか。ランチタイムは11:30~15:00、ディナータイムは17:00~23:30(金・土は24:00)、水曜日が定休日です。ディナータイムはコースメニューがメインになります。
ジビエ料理は、普段僕たちが忘れがちな「他の動植物を殺して食べて生きている」という生々しい事実を、あらためて僕たちに突きつけます。「だからジビエは苦手だ」という方も当然いるでしょう。しかし、どんなに目をそらしたとしても、この事実から逃れることはできません。
アシリパさんもこう言っています。
『ゴールデンカムイ』第24話「生き抜いた価値」
鹿は死んで杉元を暖めた
鹿の体温がお前に移って お前を生かす
私たちや動物たちが肉を食べ
残りは木や草や大地の生命に置き換わる
鹿が生き抜いた価値は消えたりしない
鹿のタンパク質は分解されてアミノ酸となって僕の体内に入り、そのアミノ酸が集まって僕のタンパク質となります。「鹿が生き抜いた価値は消えたりしない」のです。
グルメ情報
鹿鳴茶流 入舩
日本、〒650-0022 兵庫県神戸市中央区元町通1丁目9−8
こちらの投稿は Tasteemのコンテスト
私が紹介する今週のグルメ店に 応募されたものです。
私が紹介する今週のグルメ店 コンテストにご応募いただき誠にありがとうございます。 @argon様の 投稿で Tasteemがより魅力的になりました。Votingいたします。それでは、幸運を祈っております。
ありがとうございます。
ニュージーランドを旅行したときに鹿肉を食べました。とても柔らかくて美味しかったです。鹿肉の需要には、そういう背景があるんですね。^^
鹿が増えすぎて森林の生態系が破壊されれば、鹿自身も生きては行けないので、頭数を調整することは鹿のためでもあると思いますし、そのためにはやはり駆除された鹿の肉が消費されてお金になることが必要になりますね。
へえー、鹿肉!興味深い。マンガの引用も面白いと思いました。ゴールデンカムイ、気になります、、、
ゴールデンカムイ、おすすめです。内容にきわどい面があるので国民的マンガにはなりにくいかと思いますが、ストーリー構成が緻密で、読み進めるほどに面白さが増していくタイプの作品です。