スマート・マネー指数の話

in #japanese6 years ago

ご存知のように、株式市場には様々な人たちが参加しています。例をあげれば、個人投資家、ミューチュアル・ファンド、ヘッジファンド、年金ファンド、エンダウメントなどがあります。多数存在する投資家を二分するとこうなります。

賢い資金(smart money)

愚かな資金(dumb money)

一般的に、私たち個人は「愚かな資金」、そしてヘッジファンドのようなプロが「賢い資金」と呼ばれています。もちろん言うまでもありませんが、全てのヘッジファンドが儲けている訳ではありませんから、「愚かな資金」に属するヘッジファンドも当然存在します。
よく言われることですが、愚かな資金が目立って動くのはマーケット開始直後の30分間、そして賢い資金が目立って動くのはマーケット終了直前の30分間です。もちろん、最近はアルゴリズムを駆使したトレードが活発になっているため、マーケット開始と同時に、プロたちが市場に積極的に参加していることも事実です。

マーケットが始まる前に、私たちは海外からのニュース、アナリストが発表した格上げや格下げのニュース、そして著名投資家たちの意見に目を通します。単純な言い方をすれば、ゴールドマン・サックスのアナリストがアマゾン株に関する極めて強気な意見を発表していれば、私たちはマーケット開始早々にアマゾン株を買います。

私たち個人投資家は仕事があるので、株式市場を一日中眺めていることはできません。しかし、マーケットのプロたちは寄付きから大引けまでマーケットを監視していますから、マーケットの終了間際にオーバーナイトのポジションを作るトレードをします。

繰り返しますが、愚かな資金が目立って動くのは寄付き直後の30分、そして賢い資金が動くのは大引け直前の30分です。この動きを把握する指標として考案された「スマート・マネー・インデックス(賢い資金指数)」というものがあります。アルゴリズムの台頭で、以前ほど「賢い資金」と「愚かな資金」の動きが顕著でなくなりましたが、スマート・マネー・インデックスを今日も参考にしているトレーダーたちがいます。

下は、クレジットカードでお馴染みのVISAの30分足チャートに、スマート・マネー・インデックス(smart money index)を入れたものです。日足、週足なども使うことができますが、30分足を参考にするトレーダーが多いように思われます。(チャートはTradingViewです。無料で使うことができます。)

092318visa.PNG

株価とスマート・マネー・インデックスが正反対の動きをしているところが重要になります。1で分かるように、株価は上昇していますが、それとは反対にスマート・マネー・インデックスは下降しています(2)。これは、スマートマネーが積極的に買っていなかったことを意味し、3で分かるように下げが結果的に起きています。重要なことがもう一つあります。スマート・マネー・インデックスでは売買タイミングをつかむことはできません。スマート・マネー・インデックスは単なる警報指標です。

上とは逆の例を見てみましょう。

092318bitcoin.PNG

ビットコインの投資信託の30分足チャートです。1で分かるように、ビットコイン価格は下落していますが、それとは反対に、スマートマネー・インデックスは上昇しています。下げの中でスマートマネーが買っていたことを意味し、3の部分で分かるように反発ラリーが起きています。

再記します。スマートマネー・インデックスでは適切な売買タイミングをつかむことはできません。警報シグナルとして参考にすることをお勧めします。

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