いまBitlandに対して思うこと

in #japanese7 years ago (edited)

巷では2017年は暗号通貨元年と呼ばれているようで、ビットコインやアルトコイン、そして多くのトークンが大きく値上がりしています。11月時点で暗号通貨市場全体の時価総額は20兆円を超えており、前年比で11倍ほどの資金流入がなされています。

私もそんなicoブームに乗じた利益を期待し、次に値上がりするコインを探していました。そこで見つけたのがBitlandです。私自身、不動産投資をしていることもあり「登記をブロックチェーン化なんて便利じゃーん」のノリで衝動買いしました。先人たちのブログ記事をあれこれ読んでリスクの大きさも感じましたが、当たれば大きなリターンがあるよなーと期待に胸を膨らませていました。

そんなノリですので、活動報告やicoの宣伝をほとんどしない運営方針にヤキモキしていた時期もありました。次第に「もしかしてこれは詐欺icoなのか??」と自分の中でリスクの度合いが大きくなってくることを感じ、どうすっかなー、でもおじさん良い人そうだしなー、さすがに詐欺だったら1回失敗してるcadastralで再度icoしようとは思わないよなーなどなど悩んだ時期もありました。

そう、恥ずかしながらこの頃(ほんの1ヶ月前くらいですがw)の私はプロジェクトの全貌を知ろうともせずに、ただただicoに向けたcadastralの値動きばかりを気にしていたのです。しかもその評価基準はプロジェクトの内容とは何の関係もない「良い人そう」だの「騙されたくない」などという感情論でしかありませんでした。

リスクとは無知であることです。そもそもこの時点で私が持っていたBitlandの情報は、全て他人が公開していたブログ記事の受け売りであり、自分自身で直接プロジェクトを調べて得た情報など何もありません。何も知らないのに買ってるんですからリスクが大きいのは当たり前です。

自分の無知を補うため、私はこの段階になって初めてBitlandのホワイトペーパーを真面目に読みました。Bitlandについてあれこれ調べた結果、Bitlandに対する私の印象は大きく変わりました。以下、ホワイトペーパーを読み、プロジェクトのCSOことBitlandおじさんの過去のsteemit記事を読み、おじさん以外のプロジェクトメンバーやbitlandに関する諸外国のニュース記事を読み、ある程度自分の中のBitland像が固まってきた私の見解を述べていきます。


まず、昨今の暗号通貨ブームによる価格上昇を期待するならビットコインなり有名どころのアルトコインなりを買ったほうが得策です。ハッキリ言ってBitlandは数ヶ月や数年で花が咲く早熟プロジェクトではないので、今の時点でcadastralの値上がりを期待するのは無謀です。

ホワイトペーパーによるとcadastralはBitlandが開発しているエコシステムのエントリートークンとされています。このエコシステムはいわゆる不動産投資信託(REIT)システムであり、政府が案件を出し、投資家が入札する仕組みをスマートコントラクトで実現します。エントリートークンの意味合いはまだ議論の余地がありますが、取引で用いられるシステム内通貨(ディズニーランドで言うディズニーダラー)だと考えることができるでしょう。したがって、少なくともシステムが本格稼働していない現時点ではトークンに価値がつくはずはありません。

無事にシステムがリリースされ、人々に使われることによって初めてcadastralは価値を持つはずです。それがcadastralの実需です。実需が生まれる前の値動きは、単に取引所ユーザの期待と失望という感情の変化によって発生する価格変動に過ぎず、Bitlandプロジェクトとは何の関係もないと私は思います。

Bitlandの使命はエコシステムによって先進国から発展途上国であるアフリカへの投資を促進して経済成長を加速させることであり、取引所のトークン価格を向上させることではありません。取引所ユーザの期待を煽って相場価格を吊り上げても、Bitlandプロジェクトの価値が上がるわけではありません。Bitlandが何を目指しているのか、これはcadastralを買う際に最も理解しなければならないポイントです。

また、Bitlandにとってicoは主たる資金調達手段ではなく、プロジェクトは「個人的支援」によって着々と拡大を続けているようです。あくまでも個人的見解ですが、今回のicoは資金調達を目的としたものではなく、システムにスマートコントラクトを実装する為にetherへの移行がまず必要となり、じゃあどうせならそのタイミングでもう1回icoしてみようか、なノリなのではないかと思っています。

また、slackでのやりとりでは、wavesへの移行が急遽発生した理由としてetherにセキュリティ上の脆弱性が見つかったことの説明や、openledgerにいる相場師を敬遠したい様子なども示していました。
https://bitlandglobal.slack.com/

いずれにせよ、Bitlandプロジェクトにとってのcadastralとはエコシステムの中核を担うブロックチェーン技術であり、取引所ユーザが期待するcadastral(icoで値上がりが期待できる草トークン)とは全く異なるものであることは間違いありません。下記はBitlandおじさんが書いたBitlandモーリシャスのホワイトペーパー記事ですが、そのコメント欄で「他の組織のようにトークンをポンピングするつもりはない」と明言しています。
https://steemit.com/bitland/@chris-bates/bitland-mauritius-white-paper

では、プロジェクトはcadastralをどのようにしてエコシステムに組み込むのでしょうか。スマートコントラクトの実装が完了しても、システム内通貨である6000万枚のcadastralは取引所(openledger/etherdelta/waves)に置かれています。つまり、cadastralを取引所からエコシステムに移転しなければ使い物になりません。

おそらくこの移転をするためにBitlandによるcadastralの「買い戻し」が発生すると思われます。市場から買い上げたcadastralをエコシステムに移すことで、システムは初めてリリースを迎えられます。全てを買い上げることはないと思いますし、cadastralがシステム上でどのように取り扱われるのかなど現時点では不明瞭な部分は多いですが、このエコシステムのリリースこそcadastralのスタート地点であると同時に、「死んだ資本」がcadastralという「生きた資本」に転化される瞬間ではないでしょうか。

あとはこのシステムの利用者と更なる死んだ資本を新規開拓していくことで、cadastralの価値はぐんぐん上昇していくのではないかと妄想しています。


いま私がBitlandに期待することはただ1つ、20世紀後半に日本で起こったような爆発的な経済成長をアフリカで再現してもらうことです。アフリカの成長を目指すBitlandの活動を私は強く支持します。

戦後、世界最高峰の経済成長を遂げたのは日本です。私はその日本で1983年に生まれました。今日に至るまでの日本の発展は学校で学んだり自分自身で体験してきましたので、その破壊力は充分承知しています。現代日本は非常に豊かです。ハードからソフトまであらゆるインフラが整っており、24時間消えることのない照明と尽きることのない廃棄食品で溢れています。極端な例外を除き全ての日本国民は言葉や文字でコミュニケーションを取ることができます。

一方、アフリカはまだそのレベルに達していません。識字率の低さも餓死率の高さも日本の比ではないでしょう。つまりアフリカには充分な伸び代があるということです。その伸び代をいち早く引き出すには先導者が必要です。Bitlandがその先導者になってくれることを期待しています。

経済成長とともに国の税収も増えていきます。税収が増えれば政府主体による都市開発や教育や福祉の充実化など国家レベルでインフラ構築を加速できます。戦後焼け野原だった東京がいまビルで埋め尽くされているように、アフリカの風景も今後変わっていくはずです。

私にはこんな大それた活動はできませんし、やろうとも思いません。しかし、現代日本の豊かさは、このような大きな夢を持つ多くの実業家たちの頑張りによってもたらされたものだと知っています。そして今アフリカで挑戦している人がいます。だから私は応援します。

Bitlandが目論見通りにアフリカの発展に貢献できれば、そこには莫大な利が生まれます。私はそのリターンを期待して投資します。日本がここまで成長するまでに何十年かかったでしょうか。Bitlandはこの11月に設立4年目に突入します。これからです。

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