直近のICOについてざっくり考察してみた

ICOはそれでも素晴らしい

何がすごいって、僕らのような弱小投資家でもシードマネーを入れられる。初期の段階から応援できる。これに尽きると思います。

しかし、最近のICOは結構混乱していますね。

以前は参加者も今ほど多くなくシンプルに早い者勝ちでしたが、参加者が増えるにつけ投機的になり、コミュニティ内でも創意工夫がなされています。

ICOプラットフォームが昇華するためには課題解決が必要不可欠です。また、ICOを通してEthereumネットワーク自体も成長できます。

課題は多いと思いますが、変に中央の介入を入れるのではなく界隈が自らの自浄努力で改善して欲しいですね。

具体例

さてさて、かいつまんで直近の気になるICO案件を見て見ましょう。

Gnosis

ダッチオークション方式を採用した異色のICO。いかに参加者が正しいのか？愚かなのか？予測市場を実現するプロジェクトゆえの奇をてらった仕組みでした。結局初期参加であるほど不利な価格での参加になるのですが意に反して早期にICOは終了しました。ディストリビューションが90%運営側に残る事態となり再考の余地を残しました。

トークン配布分散の図

参考ブログ：The Gnosis Token Auction
Gnosisのトークン保有分布です。ひどいw

BAT

ビックプレーヤーが売り出しのほとんどを独占する行為が顕著に出た例です。取引手数料を馬鹿高くして自己のトランザクションを優先的に処理させた案件です。これは公平性に欠けるICOでしたが、のちにICOからコントラクトで上限規制をかけるきっかけとなりました。これはEthereumプロトコルの特性を利用した手口ですね。

トランザクションをビジュアル化したもの

参考ブログ：BAT ICO, USD 35 million in 24 seconds, gas and gasPrice

Bancor

キャップを隠す方式。当初のICOキャップを隠すことで殺到することを抑える考え、キャップの80%の段階に到達すると終了条件が提示される。しかし、加熱してしまってGnosisと同様機能しなかった気がします。ただし、トークンの分配を即時に実行したのは新しくて良かったですね。

Status

広く行き渡ることを主眼に置いたのだと思います。そのため一取引ごとに上限を設定していたようです。それがドンドン漸減していく。目的は達成しているようですが、ネットワークへの負荷が強く。ネットワークのアップデートの必要性を強く示したものとなりました。

現状分析

コミュニティーの連携もあるのか...毎度工夫をこれらして最適解を探しているようです。好感できます。結果、ネットワークの改善（オフチェーン実装やPoS移行）で解決するもの、コントラクトの設計(一取引あたりの発行上限、参加手数料の上限）で解決するのも。この二点をクリアすればある程度コントロールがうまくいくのではないでしょうか。規制当局が変に介入するのは避けていただきたいので、資産保全にはしっかり注力してもらえるとありがたいですね。コードの監査をするサービスが出て来ています。OpenZepplinなど。

目下、一番の懸念は参加者の成熟ですね。やはり、ICOとは長期の視点を持ってプロジェクトの成長に応援するものです。短期投資も否定はしませんが、売り抜けれないリスクがあることを肝に命じていただければオールオッケ〜！失敗してリテラシーはつくものです。スモールスタートで始めることをお勧めします。

私の妄想

現在はビックプロジェクトが多いですが小さなプロジェクトもいいものは支持される気がします。クラウドファンディングですね。まあ、その辺りはBancorを使った方が簡単そうですがね...^^。

Statusのように参加者の増加でトランザクションの遅延がありますが、レイヤー２の技術（Raiden network)やプロトコルの変更（Srenity PoS移行）、スマートコントラクトの改善(eWASM：EVMのwebassemblyの実装、コードの成熟など）などで来年にはある程度クリアーになっているといいなと思います。

--『自ら機会を作り、自ら変えよ』--

EthereumのICOプラットフォームにはERC20トークンスタンダードをICOスタンダードを作ろうとしてます。そして、この機会をテコにして課題を解決しプロトコルの進化につなげていっている気がします。ICOプラットフォームは資本市場をインターネットマネーの世界に取り込む大きなピースになると思ってます。

でかい話と某タヌキに怒られそうですが、妄想なので許してもらおっと...w
単なる読み物なので投資判断にはご利用なさらないようお願いします 😎