初恋
本当に初恋と呼べるのは、中学校3年生の時だった。お互いに好意を寄せあい、付き合うこととなった。部活が終わり、彼女と待ち合わせをして、一緒に帰宅したものだ。中学校を挟んで、反対側にお互いの家があった。だから、送っていった後、一緒に帰れた嬉しさと、一人で帰る寂しさを感じたものだ。
一度、僕の部屋へと招いたことがある。彼女がどう感じていのかは知る由もないが、二人で、同じ空間にいるだけで幸せを感じたものだ。会えない日は、お互いに長電話をしたものだ。こういった淡い恋心を抱くのは、人生で一度きりだろう。
こういった幸せが続くのは、そう長くはなかった。夏休みに入り別れることとなった。その時の空虚な気持ちは言葉では表現できないくらいだった。彼女とは同じクラスだったので、夏休みが終わり新学期が入り、彼女の顔を直視することは出来ないでいた。
やがて、僕に転機が訪れた。部活でバレーボールをしていた。そして、ある日校長室に呼び出された。何も悪いことはしていないと勘ぐりながら行くと、そこには、見たことがない人が座っていた。要は、バレーボールでその見たことのない人が顧問をしている高校へとバレーボールで入らないかということだった。とりあえず、二つ返事でその高校に行くことにした。
やがて、時は流れ、僕が高校2年生の時である。当時はキャプテンを任されていたので、当日の練習内容を聞きに、副キャプテンと一緒に体育教官室へといった。その時に、いきなり、その先生からサンドイッチを手渡されて食べろと命じられた。言われるがまま、食べると、いきなり笑われてことのいきさつを聞かされた。
その時に、教育実習で来ていたのが、なんと、中学時代に付き合っていた彼女のお姉さんだったからである。それが縁で、もう一度、彼女と電話をするような仲になり、映画も一緒に見に行った。手をつなぎたいけれどつなげられずにいた。
こんな偶然が合ってもいいのかと思うくらいだった。とりあえず、僕の淡い初恋の物語はここで終わる。人生に一度きりしかない初恋というものを大事にして胸にしまっている。今、彼女は埼玉に住んでいるらしい。子供もいるとのことだ。
もう一度、会いたい気持ちもあるし、淡い思い出として残すためにも、会わない方がいいのかもしれない。実際に、会う確率はものすごく低いけれど。会ったとしても、何を話していいのかもわからない。
福山雅治のはつ恋の歌詞で、友達ではいられないことも恋人にはもどれないこともわかっているよ、でもこの真心をとわのはつ恋と呼ばせてという部分がある。今の、僕の心境を表している。初恋は初恋のままで永遠に置いておこう。