灘の酒と食フェスティバル in 神戸

先日（10月20日(土)）、「灘の酒と食フェスティバル in 神戸」が開催されました。日本一の酒どころ「灘五郷」の美酒と神戸・兵庫のおいしい食をアピールするイベントです。その日は朝から30kmペース走をしたので、それを終えてから、会場の東遊園地に向かいました。

会場に着くと、すでに人がいっぱいでしたが、12時からの乾杯セレモニーには間に合いました。

壇上におられるのは、神戸市長や西宮市長など錚々たる面々です。

乾杯セレモニーが終了したので、僕も早速、お酒と食事を楽しむことにします。例によって「試飲チケット」（5枚綴り500円）をまず購入し、商品ごとに決められた枚数（1～3枚）のチケットを渡してお酒をいただくシステムです。

これは「櫻正宗　発泡清酒」です。

最近、こういうスパークリング日本酒が流行っていますね。この発泡清酒も爽快なのどごしで、1杯目にもってこいでした。充実したワークアウトの後のお酒は一層おいしく感じます。

これは「白鶴大吟醸にごり酒」です。

「雪のように舞うきめ細やかなにごり酒」という謳い文句通り、とてもなめらかなにごり酒でした。にごり酒は、米の甘みと味わいを楽しめるのがいいですね。

このあとのお酒は残念ながら写真を撮っていません。チケット1枚で飲める商品ばかりを飲みましたが、どれも十分おいしかったです。

食事のほうは、現金で購入します。これは「神戸牛と彩り温野菜の淡路島玉葱ポン酢和え」です。神戸牛がうまいのは当たり前ですが、加えてポン酢がすごく美味しかったです。

これは神戸牛コロッケ。２つのうち片方はカレー味なんですが、どちらかわかるでしょうか。

正解は右側です。わかった人はすごいｗ

神戸だけでなく姫路の名物もありました。これは姫路駅名物の「えきそば」です。どこかのメーカーがカップ麺にしてましたね。

今回のイベントは、お酒と食事以外にも楽しみがありました。「灘の酒造り唄」の実演です。「灘の酒造り唄」というのは、灘の酒造りを担ってきた丹波杜氏によって口伝で唄い継がれてきた仕事唄です。景気づけや眠気覚まし、リズムとり、時間の把握などの効果のあった酒造り唄ですが、昭和の半ば以降はあまり唄われなくなったそうです。今回、酒造り唄を実演してくれた「沢の鶴(株)酒造り唄研究会」は、酒造りの心とともに酒造り唄を引き継ごうと、唄の研究をおこない、蔵開きやイベントなどの際に酒造り唄を披露しているそうです。

まずは「秋洗い唄」という唄。酒造りの最初の作業である桶洗いの際にうたう唄だそうです。

寒や北風六甲颪
灘の本場で桶洗い
桶の洗いは造りの初め
男心で浄めます
洗い浄めて蒸し上げまして
造り香もする灘の酒

次は「酛摺り唄」。蒸し米、麹に冷水を加えて櫂ですりつぶし、攪拌して「酛」を造るときにうたう唄です。よい酒ができるよう願いをこめて縁起のよい言葉が並びます。

目出度目出度の若松様よ
枝が栄えて葉も繁る
目出度目出度の重なる時はよ
鶴が御門にゃ巣をかける
鶴が御門に巣をかけますりゃ
亀はお庭で舞をまう
亀がお庭で何と言うて遊ぶよ
酒屋御繁昌と言うて遊ぶ
サァ目出度いな
ハァ　ヨイヨイヨイ

「酛」が熟成されたあと、追加でさらに蒸し米と水を加えていくのを「添え」といい、「初添仕込」「仲添仕込」「留添仕込」の3段階かけておこないます。「添え」の作業のあと、蔵人たちは、いったん夕食を食べ入浴をすませてから、再び作業をおこないます。このときにうたうのが「風呂上り唄」です。蒸し米が増えている分、かき混ぜる櫂の動きもゆっくりになるため、唄のテンポもゆるやかです。風呂上がりにもう一度仕事をするなんて大変ですね。僕は絶対イヤです。

いつも御嘉例のお風呂の上り
いつも心がなごやかに
酒に酔うた酔うた　五勺の酒に
一合飲んだら由良之助
一合飲むとこ五勺と決めて
世帯する気にゃなりなされ
世帯する気かョ　わしの様な者と
わしもお前さんの様な人と
何となここらでナ
チョッコリしてやろうか
馬のまねして金かましょ
チョッコリセよかろと考えた
ゴンゴラゴンのゴン

「風呂上り唄」の後唄としてうたわれたのが「三本櫂」という唄です。風呂上り唄の段階より酛がやわらかくなっているので、テンポよく唄えるよう、内容も、江戸時代の庶民にとって最大の娯楽だったお伊勢参りを題材にしています。

シャンコシャンコ馬に鈴さげて
春はござれよ伊勢様へ
参れば本社が二つ
どちら本社と拝むやら
本社知れたらなんと言うて拝む
とかく殿さんがまめな様に
奈良の大仏　金かと思や
中は桧の粗けずり
奈良の大社は三社か四社か
裏へ廻れば四社ござる
長酒待ちかねました
これがお仕上げ（おしゃげ）か　お目出度い
やれ　そうじゃ　わし等も思うた
これがお仕上げかィナ　お目出度い

最後に「仕舞い唄」。留添仕込の翌日に、一日の仕事の最後に発酵調節のために櫂を入れるときにうたう唄です。これが終わるとあとはしばらく寝かせて、酒搾りをすることになります。仕事を仕上げた安堵感と解放感に満ちていて、共感できますね。

お日はちりちり山端にかかる
わしの仕事は小山ほど
お日が暮れたら明をつけて
親の名付けの妻を待つ
親の名付けの妻さえあれば
わしもこの様にゃ身は捨てぬ
近く寄りたらその間に仕舞て
仕舞て飲ましょぞ　長酒を
何んと長酒待ちかねました
此れはお仕上げ（おしゃげ）か　お目出たい
皆の衆もか　わし等も思うた
此れがお仕上げか　お目出たい

以上でこの投稿もおしまいなので、ぼくも蔵人にならって仕舞い唄をうたいましょう。

♪ 何んとupvote待ちかねました
此れはresteemか　お目出たい